2009年5月10日日曜日

めぐりあわせ@熊本



鏡のように山を映す球磨川を眺めていたら、いつの
間にか海に出ていました。
いくつもの橋を渡っていたら、いつの間にか天草に
いました。

二つの道の駅で休んだだけでひたすら走り続け、
全く訪れるつもりのなかった不思議な公園に辿り着き、
向かいの店のお姉さんにテントを張れるか聞くと、
その方は留守番を任された東京出身のパン屋さんで、
小さなパンを買ったら大きなパンをくださって、
店のお母さんが帰ってきて、お父さんも帰ってきて、
ビールが出てきて、ご飯が出てきて、布団が敷かれて、
いつの間にか、久しぶりに帰った娘のような扱いに
なっていました。

「男だったらいいけど、女の子ひとりは、よくない」
キャンプ場以外の場所で寝ないって自分で決めていた
ことなのに、もう破ろうとして、こうなりました。

「出会い、めぐりあいっていうのを、大切にしたい」
「あんたが夢をかなえたら、必ず遊びに行くから」
「天草をまわったら明日も泊まればいい」

お父さんの仲間のタコ捕り名人さんに役場の課長さん、
息子さん家族と賑やかな食卓を囲んだ天草二日目の夜、
赤ら顔のお父さんはまた言いました。
「一番大切なのは人。これが、めぐりあわせ」

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